職人の技アーカイブ

プレカット・CLT(直交集成板)

プレカットについて

プレカットとは、一般的に「あらかじめ(pre)切断する(cut)」という意味で使われています。家づくり、住宅建築においては、住宅を構成する木材を、建築現場に持ち込む前に、あらかじめ工場で適切な形に切断・加工しておくことを指します。
従来、大工さんや職人さんが手作業で行ってきた建材の加工を、プレカット工場での加工に置き換えたのが、プレカット工法です。なお、同様にコンクリート製品を事前に加工・形成しておくことをプレキャスト工法と呼びます。
コンピュータ制御、工作機械の技術の発展、システムの自動化・効率化、技術職である大工職人の減少などを理由に全国的に普及していて、木造軸組工法での建設では大部分がプレカット工法を採用していると言われています。

CLT(直交集成板)について

CLTとは Cross Laminated Timber の略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されています。
CLTの利用は近年になり各国で急速な伸びを見せています。特に、木材特有の断熱性と壁式構造の特性をいかして戸建て住宅の他、中層建築物の共同住宅、高齢者福祉施設の居住部分、ホテルの客室などに用いられています。
日本では2013年12月に製造規格となるJAS(日本農林規格)が制定され、2016年4月にCLT関連の建築基準法告示が公布・施行されました。これらにより、CLTの一般利用がスタートしています。
CLTは構造躯体として建物を支えると共に、断熱性や遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的な効果も期待できます。木の表面をそのまま見せて用いると、木目や木の肌触りを感じる心地のいい空間ができます。

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